びーすけ工房でひとやすみ

思うことをびーすけ工房からお送りします。

学校ITはどこに行くのだろう その3

 かなり昔、自分のホームページに、パソコンを利用した在宅学習のシステムを載せました。登校拒否(現在は「不登校」という)が問題化しはじめた頃でした。
 
 自分も教員ながら、無理やり生徒を登校させることは難しいと思っていましたが、学習環境から離れてしまうのはマズイだろうとも考えていました。

 そこで、普及しはじめていたインターネットを使えば、学校と家庭をつないで、情報面で学習ケアはできると、ネットに紹介しました。
 
 折しも自作校内LANを構築していたので、学校と家庭がネット接続されれば、校内の教員の端末が、生徒の端末につながる現実性が見えてきました。
 
 この頃、別の問題で県教委から指導を受けていましたが、この発案については、その担当者は肯定的な態度でした。
 
 残念ながら、このことが「学校のシステム」として立ち上がることはその後ありませんでした・・・。
 
 今日、教員は自分の携帯電話で生徒とつながります。ネットではSNSに自分のサイトを持っています。生徒も同様です。生徒同士もネット上で対戦しています。生徒は教員を凌ぐ検索力でネットから何でも取り出しています。
 
 それらは非公式に動いてしまっているということです。
 
 昼夜逆転した若者達の生活習慣が問題化しはじめています。
 
 ITがひきこもりの原因にもなってきました。
 
 ネットいじめが生徒指導のメインテーマに入ってきました。
 
 一方で、教員ITは服務管理用に化けてしまい、“職人の道具”であった私物パソコンは締め出され、プロジェクタに接続するパソコンを用意するのにも苦労させられる始末です!
 
 「校内LANを生徒の指導のために活用する」などという発想は葬り去られました。
 
 現場には20代の若い教員もいます。彼らはスマートフォンを使い倒し、ITの時流の中にいますが、学校制度の中にそのようなシステムを構築しようなどとは、まったく考えていません。
 
 ITは学校組織のためのものではなく、個人のツール、私的な属性であることを無自覚に、そして強固に意識確立しています。彼らは組織としてのITの可能性を考えません。それが学校改革になると思うこともありません。
 
 もはや、ITはただ楽しいものであって欲しいのです。
 
 だから・・・、学校制度の国家的変革を実現するような、そのような大きな視点に立ってITを展開するチャンスは2度とやってこないのではないかと思ってしまいます。
 
 ※現在、大学などでは、履修登録や評価伝達、教員と学生の情報共有ツールとして公式、非公式にIT機器が使われるようになっているようです。