びーすけ工房でひとやすみ

思うことをびーすけ工房からお送りします。

わるい頑固ジジイ いい頑固ジジイ

 前者については、みなさんのご想像におまかせします。
 
 
 ある新聞記事を読んで思いました。
 
 今回の大震災で福島第一原発に比して、東北電力女川原発が大事故にならなかったことは周知です。
 
 その後、女川を襲った津波も福島に匹敵する12.5mあったそうです。
 
 つまり、女川が福島第一と同じような立地であれば、全電源喪失のような事態もあり得た(今やあり得ないの同義語)わけです。
 
 女川原発が建設された当時、国に提出されていた津波の高さは想定3mということで、建設場所の海面からの高さが問題となり、様々な議論の末、海面から14.8mに決定されたそうです。
 
 今回、津波災害を防いだこの高さを強硬に主張したのが平井弥之助氏(元東北電力副社長・女川原発海岸施設研究委員会メンバー)だったそうです。
 
「法律は尊重する。だが、技術者には法令に定める基準や指針を超えて、結果責任が問われるんだ」

 東北の地元に生まれ育ち、現場で津波の歴史に向き合った人生が導き出した結論であったというだけでなく、昔気質な職人的執拗さがあったように思えます。
 
 最近は「職人」を見なくなりました。施主が「そんなんでいいよ」と言っても、しつこくこだわる職人がいなくなった。
 
 現代人はそういうしつこさを嫌がる。
 
 いろいろな組織にもそれを感じる。
 
 コストには徹底的にこだわるが、“その他”の部分への意識は軽い。結果として、不具合、事故を起こす。そして、監督官庁は規制法整備に動く。ただし法は、最大公約数的に作られる。
 
 福島第一は、こうして世紀の大事故につながった。
 
 東北の頑固ジジイは、「職人の原点」にたっていたという、たったそれだけのことで会社を救ったのだと思います。