びーすけ工房でひとやすみ

思うことをびーすけ工房からお送りします。

患者も“経験リアリズム”に晒されている

 前から分かっていたことですが。
 
 
 父が病気で他界した折、病院で見送り、一端帰宅した直後に主治医から電話。
 
「解剖させてもらっていいですか」
 
 その機械的な、連絡とも相談ともいえない声が記憶に残ります。
 
 先ほど病院で会話したばかりなのに、何故その時尋ねなかったのだろう・・・。
 
 医者とのやりとり、こういう場面は良くあります。
 
 
 
「えっ、通院で治したいの、大変だよ。毎日点滴だし、どうする?」
 
 肺炎という診断されて会話した際の言葉。
 
 買うのを渋る客に、最後は買わないと損するぞ、というような決断の迫り方。ふと足元みると貧乏ゆすりしてる。
  
 結局入院。
 
 外来とは違う別の担当医。
 
「大事にしましょうね。2週間くらいは入院でしっかり治した方がいいですねぇ〜」

 えーーーっ!

 うってかわって、何でこんなにビクビクしたセンセイなの?
 
 咳き込みが激しく、熱も。
 
 血液やレントゲンや一通りの検査。あちこち回って半日がかり。動脈からも血液採られた。
 
 まぁ、人間ドッグに入ったということで・・・。
 
 2日目には症状回復、いや恢復。さすが病院。
 
 「明日、退院させて下さい」
 
 と、マジ顔で宣言。
 
 ビクビク先生、とても感じの良い先生なのですが決断力がなさそうで、こっちが心配になりましたが、自分の体のことなので、最後は納得してくれて、翌日の午後退院・・・。
 
 
 40代半ば頃だったかなぁ、アレルギー悪化とか、作業中のうっかりで大けがして神経縫合手術とか、ボロボロな時期に、
 
 手術は、手の平の神経切断のため。爽やか系の若い先生、感じよかったなぁ。手術室入った途端、カチャ!
 
 堅い壁面によく反響するラジカセかなんかのハイビートなロックがびんびんに。
 
 BGMに乗って約50分超の仕事。上腕で止めてる血流は、30分以内にしたいですね、なんて言ってたくせに・・・。
 
 
 
 慶大病院 無断で骨髄液採取 肺がん患者ら31人から
 
 新聞報道です。大学当局は懲戒処分も検討中。
 
 詳しくは3/20の新聞で読んで下さい。
 
 学校もそうですが、医療現場もリアリズムです。遭遇には運、不運もあります。平板な日常の中でも、人間が大勢集まる現場には予想、想像を超える現実と、価値観や倫理観を検証する暇も与えられない決断を迫られることが時々あります。
 
 誤解を恐れず言えば、批判や論評は簡単ですが、多くの場合、それらの決断が経験の積み重ねの中から下されることを考えると、十分な検証をすることもなく、経験をしたこともない者達が、想像だけで何かを言うことには、違和感を覚えるのですが・・・。