びーすけ工房でひとやすみ

思うことをびーすけ工房からお送りします。

高評価教員再任用せず

 残念なことです。
 
 大阪の君が代不起立問題の処分者で、来年度の再任用を打ち切られた教員が、昨年の能力評価でSランクの高い評価を受けていたことが分かったらしい。
 
 教員の人事評価というものがはじまって5、6年はたちました。その内容は県によって多少の違いはあると思いますが、基本的には教科実践、学年経営、その他の校務での実績などが対象になるので、個人的に校長に気に入られるようなケースでなければ、ある程度の客観性はあると思います。
 この先生は、反骨のようでしたから、この評価は客観性のあるものだったと想像できます。
 
 それが、府教委の説明は、
 
「勤務実績がよくない」

 故に再任用はしない。
 
 ということらしいのです。
 
 このことで、来年度以降、校長の教員評価は能力よりも勤務実績、すなわち教育行政に対する忠実度がものさしになって行くことが分かります。
 
 どこの世界に、自分の子どもを教える先生が、高い実践能力の持ち主であることよりも、上司に媚びへつらうのが得意な先生を望む保護者がいるでしょうか。
 
 言い方を変えれば、子どもを命懸けで守ろうとする教員よりも、自己保身の強い人間を望むのかということです。
 
「不起立教員」は何のために不起立したのか。

 この教員をS評価にした校長は、その理由を理解していたと思います。
 
「意志」というものを認識できる校長と、まるで認識できない校長が存在することは、教員をやっていれば誰でも経験上判別できます。

 今回の問題は、橋下vs「偏向教員」の対立のように矮小化されていますが、実はこの教員がターゲットになったのではなくて、起きている問題に対して心情的になっている校長を一掃する目的性があったことは明らかです。
 
 もしかしたら、この校長は定年を迎え、最後の仕事ではなかったのでしょうか。想像ですが。
 
 そして、こういう世代の管理職が今段々と退く時期を迎え、40代の親衛隊の隊長のような管理職が続々と現場に乗り込んできました。常に「必携」と呼んでいるマニュアルを片手に、どうしたら教員を管理できるかを至上命題に毎日、きょろきょろ時計を見ながら頑張ってます・・・。