また現場教員の話です。
昨年の6月頃、自治体教育行政を批判しているというような理由で排斥された歴史教科書の話があり、あちこちの学校が“自己規制”してこの教科書を不採択にする騒ぎがありましたが、
この話にはその後、遠大な物語が続いてました。
埼玉県議会でもこのことは問題化されて教科書排斥の動きがありましたが、
県教委としては、文科省検定の重みを考え、強圧的に採択校に不採択を迫ることはせず、一方、県民代表である議会の声も無視できないので、
一計を案じた訳です・・・。
全県高校の何百人という地理歴史科教員と管理職が一同に集められ、県事務局が作成中の膨大な教科書研修用指導資料の説明が行われました。
私は正直なところ、最初はこの説明会に否定的でありました。
ただ、結論的には、事務局の意図がどうであっても、教育にとどまらず、社会のあらゆる部分での公平性や多様な価値観を尊重する“国風”を維持していくには、多額の出張旅費を支出してでも、このような大がかりな仕掛けをしなければならないのか、
と。
要は、何れの主義主張でも、一辺倒な思いこみで教育活動をするのでなく、教科書一つとっても、筆者や出版の個性によってそこには多様性があり、私たちはしっかりと読み比べ、公平な客観性の上で研修し、教育実践しなさいという、至極当然なことについての意志確認であろうと、
このことは、→も←も否定できない、、、道理
以前に書いたことですが、夏休みなどの教員の研修が管理強化されて、無届け研修が禁止され、「願いと報告」が義務付けられ、その結果、その面倒を敬遠して“仕方なく”出勤する教員が増えているのですが、その原因は現場管理者の無理解と、教員の努力不足に起因していると思えます。
平常授業が中断する期間は、教員にとってまとまった研修活動をする貴重な時間であり、そこで多様な経験をすることの重要性は今回の問題からも分かることで、
その趣旨に従えば、現場管理者は“行動的研修”を推進しなければなりません。
故に、
今、現場教員に問われていること、
現場管理職が“理解できるように”研修を企画する努力をすること、
であります。