報道は埼玉からはじまりました。
誰がリークしたのでしょう。
要するに、年度の途中で急に退職金の大幅減額が入ったことで、定年を迎える職員がその期日前に早期退職してしまうという話。
引き金は、前政権末期の国家公務員の退職金減額決定から。
“リストラ誘導”です。
企業だったら、こんなのニュースにもならないと思うのですが。
埼玉県知事は就任の頃に“企業的発想で・・・”というメッセージを出していました。
なので、これもその一つと思えば別に不思議ではないのですが、なぜかこの場面では「教員のくせに・・・無責任な」と、マスコミが使えそうな話題なわけです。
クリックリサーチでは、見事に半々です。
この半々というのが面白いです。
どっちかといえば右っぽいネット上でも、教員だってサラリーマンだと思う人が、こんなに増えたんだなと、感慨深いです。
知事には、教員も勤労者であるというメッセージが欲しかったです。
それと、“教育を放り出している”的な見方は、現代の現場感覚とはもはやズレています。
公立の現場でも非正規教員が増加して、まさに企業的発想で運営されているので、働く側の意識も昔とは変わったことと、今の状況では、早期退職を決断した人は、むしろリストラに協力していると解釈するのが正しい見方かと思います。
こういうやられ方は“スイッチ”と同じなので、物体はスイッチには反応するのです。
現実、企業と同じで早期勧奨退職も促されていて、これに応じる人も多く、その現状から考えれば、
「きみ、明日で辞めてもらってけっこうだよっ」という論理と
「明日で辞めさせてもらいます」という論理と
どちらが正しいのか、と、そんな議論は無意味であるのと同じで、
なので、このような話題についての、殆どの新聞全国面、テレビニュースでの取り上げられ方が、
ああ、公教育現場の、労働市場としての質的変化がまだ十分に理解されていないのだなぁ、と感じるのです。