びーすけ工房でひとやすみ

思うことをびーすけ工房からお送りします。

東北の旅(3)

 
 
 会津磐梯山に登りました。有名な山ですが、初めてです。
 
 
 磐梯山ゴールドライン観光道路にある「八方台口」駐車場から登ります。この山で最も人気があるコースで、短時間で頂上に立てます。頂上からは南に猪苗代湖、北側には明治時代の大爆発でできた荒々しい山体崩壊とその結果形成された裏磐梯の風景が楽しめます。
 頂上東斜面には高山植物の咲く小平坦地があり、天上の花巡りも楽しめます。


 
 
 ところが、登山道に入って驚きました。ブナ林が全面立ち枯れていて、それは無惨な風景です。予習もせずに入ったので、この原因は何だろうと、自分の中でいろいろ憶測が巡りました。

 
 
 一昨年夏に訪れた秋田駒ヶ岳では山の地熱上昇が観測されたという話を聞きました。また、宮城・秋田・岩手三県境の栗駒山の北側にある須川湖は、我が家の最もお気にの場所で、透明なコバルトブルーの湖面の清涼感は行くたびの楽しみでした。ところが宮城内陸地震栗駒エリアが大地層崩壊を起こしてずたずた成った後、その翌年訪れた時には、湖面は緑色に変色し、管理人さんによれが水温も上昇してしまったそうです。
 
 
 その翌年、東日本大震災が発生し・・・、東北エリア一帯で起きている地質的な大変動が、やはりこの磐梯山ブナ林の異変に関係あるのか・・・、などと思ってしまうのでした。
 
 
 が、帰宅してから調べたところ、どうやらこの悲惨な立ち枯れは、「ブナアオシャチホコ」という蛾の大発生による食害がもっとも有力な原因なのだそうで、確かに、登山道のあちこちで、この幼虫を見かけました。

http://www.ffpri-hkd.affrc.go.jp/group/konchu/Zukan/HTML/Lepi_Shachi.htm より引用 
 
 ところで、今年の猛暑は、いろいろと変化がありました。我が家の狭い庭には、現在無理やりユリの木やヤマボウシなどが植わっていて、夏が来る度に、アメリカシロヒトリや、アブラムシ、イラガなどの発生に悩まされます。
 
 
 それが、今年はまったく発生しません。おそらく毛虫も生育できない程の高温であったからだと勝手に思っています。
 
 
 一方、本来冷涼である筈の1000m級の山々は、比例して気温上昇を起こしたことで、害虫の異常発生を起こしたのではないかと・・・。
 
 
 爽やかな風が抜け、木漏れ日の差すブナ林の山道歩きが楽しめた筈の登山が、枯れ木の間に照りつける紫外線と、異臭ただよう不気味な光景の中を歩くことになりました。
 
 
 翌年、ふたたび青々とした森が甦ることを祈るしかありません。