びーすけ工房でひとやすみ

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バイク三ない運動の終焉

 自分もバイクに乗っていた時期があり、しかし教員時代には痛ましい在校生の事故も幾度か経験し・・・。
  
 高校生には、
 
 「免許を取らせない」「買わせない」「運転させない」
 
 違反者には大抵戒告若しくは家庭謹慎3日間・・・、とかの懲戒指導。
 
 しかし、私の現役時代に経験した痛ましい事故は、この「三ない運動」が学校の基本的な指導として行われていた時代であっても、つまり三ない運動をやっても事故は起こっていたということです。
 
 今、この三ない運動を廃止する動きが進んでいます。埼玉県でも来年4月からの廃止が決定されたようです。
 
 若者のバイクや車離れという実態からして、殆ど意味がなくなったからでしょう。

 バイク三ない運動は警察は関わりませんでした。16歳で原付も自動二輪の免許も発行していて乗車自体は違法ではありませんから。
 
 教員の立場にも温度差があり、好んで見張って捕まえるのが趣味ような人(自分では捕まえず指導係にチクって、指導の先生の仕事を増やしていた)もいましたし、捕まえて現場注意指導で済ませたり、殆ど見逃す人もいましたし・・・。
 
 しかし、こういう観点から言わせてもらえば、現代は「スマホ運転」の方がよっぽど脅威になってます。分母の大きさからすればバイクの比じゃありません。
 
 スマホを持つことは禁止されません。しかし、スマホ運転による事故は多発しています。そして、学校でも"歩きスマホ"や"自転車スマホ"は結構指導してます。
 
 しかしスマホに関しては、
 
 「持たせない」「買わせない」「使用させない」
 
 なんてことはやってませんし、カンニングの手段にでもしない限りは処分もしません。
 
 何故か?
 
 子どもも大人も使っているからです・・・!
 
 つまり、バイク三ない運動というのは、実は当時の暴走族=非行という観点から、バイク乗車の経験もない教員一般の、バイク=悪、不良という強い偏見、そして"命を守るため"みたいな言葉だけの看板を掲げて、学校の自己肯定的方法論の一つとして延々と続けられてきたのでした。
 
 この論法が一方的だというであれば、現在、危険な運動部を素人顧問に持たせたり、地震で学校の塀が倒壊して通学途中の子どもが命を落としたり、想定され得ることにまったく無策であるのに、どうしてバイク禁止だけが予定調和的に扱われたのか、説明されるべきだと思います。

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