過ぎたこと。されど消えぬこころの傷。
中東紛争の根源が話題になることがあります。
キリスト教vsイスラム教の世界観。
同一神の奪い合い。これは永遠に終わらない争いなんだろうと思います。
そういう1000年を超えるような怨念でなく、現世代がつい少し前に痛めた傷も疼いてます・・・。
日本が朝鮮半島を植民地にした100年の傷。その頃を直体験した人々はまだ存在しています。
大戦末期に勝ちを確信して日本に突然参戦したソビエトによって、生活の海を奪われてしまった北の漁師たちの傷。
内戦によって中国共産党に大陸から海に追い落とされた台湾の人々の傷もまだ明瞭な記憶の中にあります。
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30年ほど前、国家運営の破綻をきたしたソビエト社会主義共和国連邦・・・15の共和国は分解し、巨大なロシアの周辺は、僅かな時間の経過でグローバル世界に溶け込んできました・・・
果たして、ロシアでは、かつてのソビエトの傷がいまだに疼いているのでしょうか・・・?
1980年代、ソビエトはアメリカなどから「悪の帝国」と呼ばれ、際限のない核開発や宇宙開発競争を繰り広げ、国民は疲弊していた、、といわれました。
崩壊は必然だったのでしょうか?
さて、
プーチンは、そのソビエト末期の頃に国の諜報機関に身を置いて、恐らく、愛国心とともに狡猾さを身に着け、崩壊していくソビエトと、その後のロシアを、まさにその現実世界の中で、国家の傷と向き合ってきたわけです・・・。
歴史上、ある個人が時代の混沌の中から頭角を現して、やがて天下を統一して頂点に立つ、、、という実歴史は、世界史の教科書の中にたくさん出てきます。
日本史の中にも当然あります。
しかし、往々にして、その個人は、結局はひとりの人間であって、目標とする頂点に立ったところで失敗を冒します・・・!
一方では、その後王座の世襲を確立し、封建制を定着させて長く持続した国家も多く存在します。
が、
・・・・・ああ、
ウラジーミル・プーチン は、この前者だったのだと
みんな、そう思うことになりそうです。
専制体制vs民主主義と叫んでます
ロシア・中国vsアメリカ
アメリカ合衆国大統領は最長2期8年。国民にそっぽ向かれたら4年しか権力がありません。
でも、建国からほぼ250年、、アメリカは解体されません。課題も多々ありますが、世界中から人々が集まり、自由で豊かな文明社会を維持して来ました。
近代日本が勘違いして、帝國日本を世界の中心に置こうとしておおやけどを負い、べそをかきながらアメリカに面倒みてもらってます。
日本は、アメリカに面倒を見てもらっている国の中では優等生でしょう、、、
ただし、指摘されるのは、優等生で来られた僅か数十年で何か勘違いをして、自分の負っている傷を忘れているようで、、、「日本を取り戻す」とか云って、
えっ! 何を取り戻したいの
と、心配になる人が段々少なくなっているのではないかと、日本人よりもよく日本歴史の傷を覚えている海の向こうの人々が、どうしても日本を信用できない、、、
日本人の中の″内なるプーチン″にも敏感である必要はあるのではと、、、やはり心配です・・・。