びーすけ工房でひとやすみ

思うことをびーすけ工房からお送りします。

『崩蝕の国土』

 NNNドキュメント9月30日(日)深夜の放送番組のタイトルです。
 
 豊かであったはずの日本の地方で、所有者不在、相続もされない家や土地が現在九州と同じ面積にもなっているのだそうです。
 
 信じられないことです。
 
 人の高齢化の末に、手つかずになった荒廃した山林には殆ど資産価値なく、名乗り出て相続する者もいなくなり、家は朽ち、農地は耕作されずに荒れ果て、山林は境界線も不明となってしまいました。
 
 このままでは、このような土地が2040年には北海道と同じ面積に達するというのです。
 
 かつて「土地神話」というのがあって、土地さえあれば何とかなるみたいな、土地に生きてきた日本人的価値観が土地の資産価値を支えていました。

 しかし、

 今、日本経済の産業構造の変化で、土地自体の絶対的価値は失われ、産業と密着した利用価値のある場所のみが人の生きる場所になっています。狭い土地に建つ四角い高層住居が人々の生命空間になってしまいました。
 
 財政難、人材不足に悩む地方行政には問題解決の打つ手もなかなか無く、災害の危険性のある所有者不明の土地だけは税金で対策を取れるような法律も昨年成立したそうです。しかし、現実にそれですべて解決できるとは思えません・・・。
 
 現在私の住んでいる住宅地は30年以上経過し、子育ての終わった老人の街になってます。10年ほど前までは住み替え転居して行くために家土地を売って行く家もぽつぽつありましたが、今は売れるのかどうか分かりません。将来、住む人間も居なくなって、不動産価値もなくなり売れない物件となり、相続したいと思う人なし(税金だけ払うはめになります)、そして所有者不明になるのが想像できます。
 
 いよいよ、そんなことが普通の社会現象として日本中に広がるのかも知れません。
 
 ただし、これは大した問題ではないでしょう。放射能をばらまくような物件ではありませんから、次の時代の人々が適当な解決方法を見つけて何とかして行くのだと思います・・・。