あまり話題にしたくないことかも知れません。
戦後70年過ぎていますが、この間この神社に祀られた人はいません。
今後、対象者が出てきた時はどうするのでしょうか?
正式には「靖國神社」と表記するようです。
今から150年前、幕末維新を分けた日本の内戦、「戊辰戦争」からはじまり、以後日本の戦争において国家のために兵士として命を亡くした人々の魂を祀ってきました。
その人数240万人以上です。
その内213万人以上は太平洋戦争の犠牲者で、戦中出兵する兵士達が別れ際に、"今度は靖國で会おう"と言い残し、このことは靖国神社が国民を戦地に送り出す重要な役割を持っていたことも指摘されています。
この気の遠くなるような人数には言葉もありませんが、しかし、疑問に感じることもいろいろあります。
NHK大河ドラマ「西郷どん」の主人公、西郷隆盛は祀られていません。
えっ と思ってしまうかも知れません。
ドラマの中でも西郷どんは戊辰戦争で官軍(天皇の軍隊)の司令官として勝利して、明治維新を実現させた英雄として描かれているのですから。
しかし、
西郷どんはその後、明治政府の在り方に疑問・不満を持った士族(武士)達とともに政府に反旗を翻し「西南戦争」を起こして命を落としました。
"国に反抗して死んだから"資格なし!
ということなのです。
なので、靖国に参拝する人たちは西郷どんが嫌いなのでしょうか?
ところで、靖国神社で行われる祭りの際に一部の国会議員達が集団でお参りして、テレビ放映されたりしてます。
何か、こころを込めてという雰囲気ではありません。
"みんなで渡れば怖くない"的な感じです。
首相はこのところ参拝していません。憲法の政教分離規定や外交問題化を嫌ってのことだといわれています。
一部国会議員=国民の代表=参拝は民意・・・?
靖国神社は神社の全国組織「神社本庁」に加盟していません。なので、初詣で客数ランキングにも入ってません。
全国民が平穏に参拝するような神社ではないようです。
なのに一部政治家が集団参拝している。
やはり、変な感じです。
この疑問は、この"一部政治家"達の勘違いとも関係しています。
実は靖国神社の正式名称は「東京招魂社」でした。
"招魂"とは、・・・死者の魂を呼び戻す・・・ことで、この類の祭礼は古代中国の道教の影響なのです。
山とか海とか木とか、本来自然界に生かされてきた日本人が、自然を畏敬して発生してきた本来の神社の理念とはまったく異なった外来思想であるわけです。
残念なことです。
国策で命を落とした人たちの霊を慰めるところまでは正解かもしれませんが、それを神社という概念に一括りしたことが間違いの始まりでした。
現在靖国神社の予算規模は年間20億円ほどだそうですが、今後関係支持者が減って行くと、財政的に厳しくなるかも知れません。
戦後、ボタンを掛け違ってしまったような扱いにしたこの神社について、すこし抜本的な議論も必要なのではないかと思うのですが・・・。