びーすけ工房でひとやすみ

思うことをびーすけ工房からお送りします。

持たざる国の幸せ

 かつての日本のことです。
 
 いま世界全体を眺めると、国家の有様がまったく以て不公平です。
 
 地球上での位置、国土面積、領海面積、地理学的な様相、気候、居住可能な面積、保有資源の質と量、、、、
 
 上記の視点で日本を思うと、
 
 北半球の温帯で四季があり、広いかどうかは別として世界で62番目の国土面積、排他的経済水域では6番目(これは広いですね!)、ところが37万平方メートルのこの島国は北から南まで海に転がり落ちるような山ばかりで、活火山も多く地震も多発、急流な河川の水害は毎年起こり、最近は豪雪、猛暑、ゲリラ豪雨、、、そんな自然環境の中に暮らすのも、あまりに平野部が少ないためで、そして化石燃料資源は海外から殆ど買わなければならない・・・。
 
 唯一、日本の東に広がる太平洋は魅力的です。大昔はこの太平洋を横断して来られるのはマゼラン(彼もフィリピンで命を落としましたが・・・)のような冒険家くらいで、誰も日本に来ませんでした。はじめて幕末日本にやってきたペリーも西廻りでやってきました。彼らの当初目的は捕鯨基地を日本に確保することでした。当時鯨油が現在の灯油の役割を果たしていました。
 
 そういえば大洋ホエールズというセリーグ球団が昔ありましたね。現在の横浜ベイスターズです。横浜は開国した日本の玄関口として発展しました・・・。
 
 そもそも日本の位置はヨーロッパからみて「極東」ということで彼らからは一番遠く、そのことが植民地化されなかった最大の理由です。
 
 ところが20世紀になって、"太平洋の価値"に気付いた列強諸国が東アジアに目を付け、特にアメリカは遅れて中国に興味を持った関係上、太平洋を跨いだ先の着地点、即ち日本を標的にした訳です。
 
 73年前に日本はアメリカとの戦争に大負けましたが、その結果アメリアは太平洋の果てに強力な軍事基地を持つことができました。思い描いていた通りの世界地図が出来上がりました。
 
 アメリカにとって、"やって良かった戦争"・・・
 
 うわーっ、危険な発言ですね・・・(*_*;
 
 だって実際、この日本での"成功体験"が、その後の朝鮮戦争ベトナム戦争、アフガン、イラク戦争・・・、とアメリカを懲りない戦争国家にしてしまったのです。
 
 民主化(日本の民主化アメリカのお陰)の旗を掲げて戦争をずーっとやってる訳です。
 
 ということで、現在の日本は、西太平洋のこんな広い海をアメリカの庇護の下に与えられ、その維持ためにはアメリカとの同盟以外はあり得ないということなのです。
 
  みなさん、どう思いますか?
 
 
 "持ってしまったこと"で、どこかと同盟しないとそれを他の人間の欲望から守れないという現実。
 同盟故に持たなければならなくなった不幸。その結果としての人災の数々。
 
 かつて何も持っていなかったのに、ただ"遠いという自然の恵み"だけで侵略されなかった幸せ・・・。
 
 再びそういう世界がやってこないでしょうか。