びーすけ工房でひとやすみ

思うことをびーすけ工房からお送りします。

新しい資本主義

 何が新しいのか・・・

 よくわからないという声を聞きます
 
  
 資本主義というのは、古くて新しい言葉です。
 
 人類はこれ以外の言葉を知りません。
 
 根底にあるのは「騙す」ということ
 
 
 自然界では、生命と種の存続のために、生命そのものが駆動して糧を得ています。
 
 資本主義のしくみの根本にあるのは「価値の保蔵」です。
 
 
 ただし、「蓄え」は他の生命でもやってますので、そういう賢さは人類以前からもあったのでしょう。
 
 
 ″健全な蓄え″は、自己生産的に行われ、不健全性があるとすれば、それを″隠す″ということです。
 
 ただ、不健全という表現は、自己保全のために他を騙すという意味なので、宗教的な罪ではないと思います。
 
 騙すということでは、そもそも宗教自体も不健全ですから・・・
 
 さて、こうして、その蓄えが備蓄から流通に転化し、貨幣によって価値が抽象化され、今や電子的記録によって瞬時に価値が拡散するまでに進化しました。
 
 ″生きている存在″の価値も電子決済されてしまい、本来目に見えるはずの価値が空気のようになり、本来は保蔵に意味があったはずの資本の価値が消えうせ、
 
 ゆえに、資本主義という意味すら無価値になっているのではと・・・。
 
 
 
 ロシアという国は、持てあます広大な自然を貪って、それを資源としてばら撒くことで維持される国のため、本来的な資本主義が成長せず、これは中国も同じで、価値を専制者が独占していた時代から脱皮出来ていません。
 なので、世界が″新しい資本主義″を願望する段階なのに、それを求めようという意識も感情もない状態なのでしょう・・・
 
 役目を終えた核兵器こそが切り札だと、まだ思い込んでいます。
 
 笑えないのは、日本にも、″核には核を″的な、それしか思いつかない愚かな政治家が沢山いることですが・・・
 
 
 本題にもどって、「新しい資本主義」とは何か?
 
 首相官邸をのぞくと、
 
 ①成長戦略-②分配戦略-(3)少子化対策・こども政策
 
 要は、高度に役割分割され複雑化し、格差のような無残な状態にある資本主義を、気候変動への挑戦を含めて、人類の知恵を総動員して乗り越えようと・・・
 
 100年近く前、大きくなった資本主義が悲劇的に貧富の差を生み社会問題化し、その仇として社会主義共産主義を生んだことで「修正資本主義」がいわれ、国が積極的に介入して社会保障政策など、資本主義を是正する方向性がアメリカを中心にその後の世界に広がりました。
 
 今、いわれる「新しい資本主義」も、修正バージョン2だと思えます。
 
 
 「蓄え」は他の生命でもやってます。
 
 そういう賢さは人類以前からあったのでしょう。
 
 
 人間を含め、自然界に存在するあらゆる生命は、「他種を騙す」ことで進化してきています。
 
 なので、狭い意味での″新しい″はあるかも知れませんが、本質は何も変わりません・・・変られません・・・
 
 
 宇宙飛行した人が、「人生観が変わった」、ようなことをよく口します。
 
 別に大変な思いして宇宙空間に行かなくても、バーチャルでパソコン画面のGoogle Earthで地球を俯瞰するだけでもイメージならできます、
 
 広大な宇宙空間の、こんなちっぽけな球体の上で、人類という生命の一種に過ぎない人間が、何を悩んでいるのかと・・・
 
 ″先進国家″は高齢化社会となって、食べるのに困らない国の老人は、老いに立ち向かうことが人生最後の目的になり、その姿が発達した資本主義の末路、それを誤魔化したい新しい資本主義が鼓舞されて・・・
 
 ただし、結局個人は死に、資本主義が犯した環境破壊は、個人の集合である人類存在も脅かし、そこにさらに20世紀的専制権威が破壊工作をめぐらせ・・・
 
 これは、もはや悪夢なのか、
 
 いや、
 
 パソコン画面にうつる、小さな地球をみたら、
 
 夢も悪夢も、そもそも、価値など存在しない、
 
 つまり、資本主義などは価値ではなく、一過的自然現象に過ぎないということになります。