別れの季節です。
日本中で悲喜こもごもでしょう。
転勤のある職業に就いている人ってどのくらいいるのでしょう?
調べたことはありません。
転勤という言葉は、何故か愉快な響きではありません。
日本の職場というのは、一言でいうとどのように表現できるでしょうか?
表現を変えると、その職場がどんな職場であるかによって、「転勤の色」も違ってくる。
多くの人は、その業種、職種で違うだろうと想像するかも知れません。
実は、業種とか仕事の内容は関係ないように思えます。
そもそも異動のない業種もあります。
それが、愉快な職場であれば、どれほど幸福であろうかと想像してしまいます。
一方、転勤のある職場。
毎年、大なり小なり人事異動で人が入れ替わる。ある年の人事で職場の雰囲気がガラリと変わるなどということもある。
動く本人も、それを迎える側にも緊張の春がある。
その緊張の空気が「転勤の色」です。
この色は単色でないところが実に興味深い。
たとえていうと、油絵のようです。
良かれと思って付けられた色が、思いの外、画面全体のバランスを崩してしまうことも。
ある情景を表現する色をイメージしても、必ずしもその色が表現してくれないことなど良くあることです。
むしろ、無自覚に彩色された平面に、予期しなかったような魅力が表現されていたというようなことも・・・。
さいわい、今年の春は、
そんな彩色のある異動もあったことで、少し暖かな春を実感できたのでした。