今つくっているパソコンソフトのことです。
世界中でWindowsパソコンが使われています。
その中でエクセル表計算ソフトは圧倒的です。
すでに6年も前の話ですが、埼玉県の176校に独自の調査をさせてもらいました。その内7割以上の学校がエクセルを使って教務処理を行っているという結果が出ました。
当然、パソコンは学校でも必要不可欠なツールになっています。
先述したように教職員の服務管理には、民間業者の手になるネットワークを介したシステムが動き出しています。
同様に、校内の教務管理にもそのようなシステムを統一的に入れることは可能なはずです。
幾つかの学校で、独自に民間業者の開発したものを使っているようですが、満足度はいまいちのようです。
独自にシステム開発してきた立場でいえば、校内ネットワークと、そこに走らせる教務システムは同時開発して行かなければなりません。ハード整備だけを先行させて、後者を置き去りにし、それを教員の労務管理ツールに化けさせてしまった施策は、もっと批判されるべきなのです。
そして、この私のような主張は黙殺し続けています。
よく、「批判には対案を」という議論があります。私も好きな言葉です。文句ばかり言っても、示す具体案がないのは恥ずかしいことです。
「Kdsystem」は、この対案であります。
バージョン6になっている現在まで、この未熟なシステムは批判のための悪戦苦闘の産物なのです。
私の知る限りでは、幾つかの学校で使ってもらっています。ネットで公開していますが、広がりは不明です。
いつか、行政でキチンとしたものを手当してくれて、教員業務の効率化と負担軽減を実現してくれる日を待ち続けて今日になってしまいました。
「悪戦苦闘」の実体は、プログラムを書くことではなくて、教員集団という人間のことです。
行政が下ろした総務事務システムにはしぶしぶ素直に導入が進んでしまいました。上には抵抗できないのですね。
しかし、同レベルの人間がやることには、2つの反応に分かれてしまいます。趣旨を理解して応援してくれる人と、次々ケチを付けて否定的に眺める人と。
実はどちらもありがたい反応で、そこから得るものは大きいです。
前者は勇気を、後者はスキルアップを。
Kdsystemはそういう産物です。
もう一つの悪戦苦闘、それは現物そのものが示しています。
転勤する先々で異なる壁にぶつかり、その壁を乗り越えるオプションがつぎつぎ増えたことです。
何もない車に、ETCやカーナビ、レーダー探知機、ACアダプター、バックビューモニター、ドリンクホルダー、小物入れ・・・。
後付でいろいろな機能を付けていくのは楽しいことですが、それを他人が操作しようとすると、これはやっかいです。
車メーカーは、それらの機能が出そろったところで、すべて組み込み済みの車を商品化します。
同じ教科・科目でも、理系と文系で単位数が異なり、その理系と文系の生徒が混在するクラスで、さらに日によってはさらに異なるグループ分けによって講座展開されることがあって違うパターンの成績処理が必要になる・・・。
しかも学校によって使う記号が違ったり、2学期制でやっていたり、単位制であったり、定時制であったり・・・。
民間業者による「汎用システム」がなかなか投入されない理由はあります。
Kdsystemは、この一つひとつの異なる要素をオプションにして後付したことによって、“マニアック”なものになってしまいました。
これは、エクセルという極めて汎用性が高く、高機能な業務ソフトが存在しているからでもありますが。
さてさて、どうしましょうか。
こういうKdsystem的世界は他にもあると思うのですが。