返還40周年。
民主党政権後の基地問題への県民意識の変化がいわれています。
未だに沖縄は本土から「差別」されているという声もあります。
埼玉県が修学旅行の航空機利用を認めた直後の2001年に沖縄修学旅行に行きました。
直前の9月11日。同時多発テロ発生。
基地の島へ行くことに、学校内外から不安、中止の声が上がりました。
実際多くの学校が方面変更をする中で、児玉高校では引率スタッフが結束し、説明を受けた保護者も納得し、何よりも生徒たちが一層に強い意志を持ったことを今でも覚えています。
那覇空港では歓迎一色。ただし何処に行ってもガラガラ。首里城地下駐車場に同時に入った大型バスはわれわれの8台だけ・・・。
その後“ブーム”になった沖縄修学旅行の中でも、この時の記憶は鮮明です。
修学旅行は10代にとっては今でもインパクトのある行事だといえます。
沖縄修学旅行の普及が、沖縄の変化に少なからず影響をもたらすと思っています。
アンケートをとれば、毎年一番人気の沖縄。
民泊ホームスティなども少しずつ増え、事後アンケートも100%満足の沖縄。
私たち引率スタッフは基地問題の事実は教えますが、声高に基地反対という誘導はしません。
それは公務員は中立などというバカげた言い訳ではなく、生徒自身が現実から自分の判断をして欲しいと思うからです。
若者が沖縄に惹かれるのは、そこが“半分外国”であるという沖縄の歴史、文化、自然に魅力を感じているからで、そして何より、そこで出会った人々から、日常の人間関係にはないものを感じるからに他ならないでしょう。
このことは、琉球の歴史と伝統を再認識し、それを大切に守り、そして修学旅行だけでなく、若い人たちが豊かな自然の南の島に、いつでも安心して訪れることのできる環境をつくり上げていくべきことを示唆しています。
そのような「沖縄文化」こそが、経済的な意味でも沖縄を守る政治の役割となるはずで、それを世界理念としてアピールし、何人も侵略することの出来ない島がこの海域に存在することが、安全保障上も有益であると想像できます。
理想論とは実現しない論理と解釈されます。しかし、現実論の行き着く先が常に理想論であることも人類の歴史が証明しています・・・。