「土下座」だけが強調され過ぎです。
そもそも日本社会は“お辞儀社会”なので、いまさら土下座だけをクローズアップしても新鮮ではありません。
土下座に関係する記事を読んでみても、何か違う感じがします。
「土下座を強要して逮捕」というのもありましたが、これは土下座そのことではなくて、明らかに脅迫するクレーマーの人格に問題がある訳です。
土下座は、むしろ単なる「儀礼」、その先のない帰結でしかありません。
最近は、企業でも役所や学校でも、昔のように横柄な態度では客や市民、生徒・保護者が怒ってしまうので、“うまくお詫び”するというのが定着しています。
「貴方様の仰ること、お気持ち、ごもっともです。こちらの指導が行き渡らなかったもので、まことに申し訳ありません・・・」
こう言われてしまうと、大抵の日本人はサーッと冷めます。
レベル1です。
しかし、事がもっと重大で、少しのことでは済まないような場合に、土下座が出ます!
お殿様の前でひれ伏す家臣のように、決して逆らわずに従う態度の完全表明形。
この時、
もし謝罪する相手が、たとえば信長のように、問答無用で家臣を足蹴にするようなことをすれば、事の是非はともかく、今度はその相手が冷酷非情な人間になります。
形勢逆転です。
つまり、今日的に、土下座というのは、謝罪する側からの「一種の脅迫」で、
「ここまで謝っているのに、それでもあんたこれ以上ヒドイ仕打ちしますか!?」と、相手を威嚇している訳です。
レベル2です。
実は、このレベル2では立場が逆転していて、攻める側に「次が要求」されてしまうのです。
大抵の場合、この「次」が無いために、土下座で一件落着になってしまいます。
逆に、相手側に「次がある」と見た場合には土下座しません。土下座では済まないからです。
土下座を否定し、土下座を無くすためには、周到な準備をもって相手を攻めなければなりません。
みなさん感じていることですが、土下座とは人を馬鹿にした態度なわけです。