びーすけ工房でひとやすみ

思うことをびーすけ工房からお送りします。

70歳定年制導入?

 正気でいっているのでしょうか?
 
 勿論、いつまでも働きたい人に道を開くというのは理解できます。これはきっと「高プロ」のシニア版なのだと思います。
 
 できれば"定年後も残業してくださって結構ですよ"
 
 
 少し街の風景を見てみたいと思います。
 
 郊外のショッピングモールが手っ取り早いでしょう。
 
 平日の駐車場。
 
 定年後らしき白髪の男性が一人で書店の方へ。高齢夫婦が一緒に買い物?スーパーに向かって、愛犬が車内で待ってます。スポーツバッグを肩に男性や女性、グループで一緒にジムの建物へ・・・。
 
 この方々は、70歳まで賃金労働者をやるでしょうか?
 
 経過措置で今年は62歳から厚生年金が支給開始されています。ただ支給される額は月額税込12万円程度です。これは生活保護支給額とほぼ同じです。ただ、この方々が生活保護を受けていないのは退職金を含む蓄え、持ち家など資産があるから・・・。
 
 単純に計算して、若い頃から真面目に35年以上働いて、税金や社会保険料もきっちり納めてきて、尚かつ日頃から節制した結果の蓄えの上に年金を加える結果として、上記のようなささやかな老後の生活を、80歳くらいまでは維持できるだろうということです。
 
 日本は戦後、この程度の社会を国民に約束して、結果として国も繁栄してきました。
 
 なのに、どんな問題が起きているのでしょうか?
 
 
 長くちゃんと働いてきた人のために、月額20万程度の年金も払えない状態だというのでしょうか。


 
 上記のショッピングモールで出会った方々は、恐らく殆ど終身雇用(安定的正規雇用)で働いてこられました。この世代までは殆どの国民がそうでした。
 
 ご存じのとおり、"小泉改革"で企業に都合の良い非正規雇用が公然化されたことで、社会保険料納付も滞る年収200万以下の労働者が激増してしまいました。
 
 現在の高齢者は堅実に維持されてきた社会保障制度に乗っていますが、激増してしまった「恒常的非正規雇用」の方々の老後は、想像するのも難しい、、、、ということになってしまうのです。 
 
 そこで、もう破れかぶれで"一億総奴隷化社会"に突き進もうという本音が政権担当者から、言葉を変えてじわじわ洗脳されるように浸透してきています。
 
 「一億総中流社会」時代から「一億総活躍社会」へ
 
 "奴隷"などという言葉を聞くと、「まさかっ!」と思う人多いと思いますが、憲法をはじめ、関係する法令を「人権尊重」から「人権抑制」へとシフトチェンジすることで、世の中はまるっきり変貌してしまうでしょう。
 
 
 今、ジム通いをして溌剌としている高齢者を見て、「ほら、みんなあんなに元気なんだから!」などと思ってしまったら、思う壺です。
 
 今、ジム通いしている人はもう働きません。余裕がありますから。
 
 じゃあ、誰が70歳まで働くのですか・・・?
 
 そう遠くない近い将来、 
 
 若いころから賃金が安定せず、貯蓄をはじめとする将来的な家計の裏付け、そして見通しがたたないまま老後を迎えてしまい、結果として還暦を過ぎても、65過ぎても、、、働かなければ生きて行けないあなたかも知れない。
 
 なんです。
 
 そのために、働きたい人は70歳までも働けるように、雇用者側に採用義務枠を強制して、希望する者に対する雇用義務を課すような法律改正が近いうちにできるかも知れません。