びーすけ工房でひとやすみ

思うことをびーすけ工房からお送りします。

本屋が廃れるわけ

 夕刻、買い物に出て、家族の所用を待つ間、熊沢書店に立ち寄りました。最近は書店で本を買うことが少なくなりましたが、やはりネットのせいだと思います。私のような定年退職した立場でもネットの便利さには負けます。
 
 ところが、
 
 店の入口から数メートルのところにベストセラーコーナーがあって、新刊関係、文庫関係など区別して順位が付けられていました。このコーナーを見ると、今何が売れているのか分かるのかな、と、少し思いましたが、順番に並んでいる本の幾つかをぱらぱらとめくって・・・。
 
 文化的知名度の高い人、どこかの教授さん、タレント、元スポーツ選手、医者・・・
 
 どれも読む気が起きません・・・。
 
 たとえば、少子高齢化社会について、これを否定的にとらえるのでなく、肯定的に捉えなさい、みたいな。現在100歳以上の人が6万人以上いて、今後もさらに増えて、その意味するところは、人生が今よりもっと長くなり、必然的に現役世代の高齢化は自然と受け入れられて、人の人生もより長く、有意義となります、みたいな・・・
  
 こういうのに反論するために、数字を調べたりする気持ちはまったく起きません。
 
 それよりも、どうしてこんなものがベストセラーの中に入っているのだろうかと、、、

 いや、もうどうでもいい、みたいな投げやりを感じます。
 
 ああ、そうか・・・。
 
 だから本屋は廃れるのだなぁ・・・と。
 
 なんの文脈もなく気分でやり取りされるSNSの字づらの方がよほどリアリズムがあって、人の感情に訴える力も強い。
 
 以前、「言葉は真実を伝えない」と書きましたが、まさに言葉によって何か伝えようとする書籍が売れなくなっているのは、誰もそれを信用しなくなっているからなのだと解ります。
 
 ガンなどの難病に関する書籍ももの凄い数出てますが、どれが正しいのかまるで分かりません。まさに、この世の混沌がそのまま本屋に並んでいるのです。
 
 仕方なく、山地図コーナーで、山と高原シリーズ「奥武蔵と秩父」を買って帰りました。この山域の地図を購入したのは中学生以来です。