びーすけ工房でひとやすみ

思うことをびーすけ工房からお送りします。

原木について考える

 内装工事の関係で、3ヶ月以上木工作業を中断してしまいました。天井、床、壁、電気・・・。内装作業も面白いのですが、いろいろと大変です。
 
 5年程前から、退職を見越して原木集めをはじめました。原木というのは、伐採されて、樹皮がついたままの丸太状態の木材のことです。例えば、原木市場などで、伐採されて間もない山桜の直径40cm4メートル材で5千円ほどで手に入ります。ただし、これだけの丸太だと乗用車では運べませんし、チェーンソーで小割りして、さらに乾燥させるのに、一般住宅では殆ど無理です。
 
 その無理なことを自宅でやってます・・・。
 
 いろいろな方面から原木を入手するのですが、枯れのために伐採されたようなものは、虫害している場合が多く、加工すると出るわ出るわで幼虫がうようよしてます。あまりにヒドイものは諦めて薪にしてしまいます。(薪割りも一苦労・・・)
 
 乾燥には何年もかかるのですが、これも失敗するとヒビが入ってしまって、これまた薪割り・・・。
 
 結局、原木全体から作品づくりまで持っていける部分は、30%あれば良いかなぁ〜、という感じです。
 
 これでは作品づくり前に根気が続きません。
 
 作品づくり用の乾燥済みの木材を扱っている材木屋さんもあります。一塊、20×20×100センチくらいで、安くて1万円。これがホームセンター系の店頭だと2万円とかになります。
 
 私には到底買えません。
 
 そして、辛くても、原木スタートの木工は、誰にも知られない楽しみが有るのも確かで、退職して稼ぎの無くなった生活の中で、お金を掛けずに生きた時間を過ごせます。

 原木の中につまっている自然との対話とでもいうのでしょうか。
 
 そこから得られるものを、作品まで持ち上がって行くことで、連続的な楽しみを味わえます。
 
 そして何よりも、重量のある原木を扱うには体力が必要で、「運動のための運動」が苦手な私にとっては、今や唯一の体力維持の時間にもなっています・・・。