毛利衛さんではありません。秋山豊寛さんです。
TBS社員だった秋山さんは、1990年12月、当時のソビエトのバイコヌール宇宙基地・ガガーリン発射台からソユーズTM-11宇宙船で宇宙に約8日間の旅をしました。
TBSとソビエト宇宙総局との契約に基づく民間プロジェクトでした。
詳しくはネットでどうぞ・・・。
地球帰還から5年後、秋山さんは53歳でTBSを退社しました。
「お金や権力や名声などと云ったものが、あまりにもちっぽけで、そういったものに興味が湧かなくなった」
福島県に移住し農業活動に入り米の無農薬栽培、環境関係の講演活動などに入りました。
今年は日本人初の宇宙飛行から30年。
30年前とは、、あの「バブル崩壊後社会」がスタートした頃でした。
秋山さん"帰還"後の1992年、中野孝次の「清貧の思想」が出版されてベストセラーとなり、"清く正しく美しく"、貧しくも清楚な生き方への志向が世論の一部にも起きました・・・。
狂乱バブルの失敗の後であれば、この両者の出現は不思議ではありません。
一方世界は、その後Microsoft vs Appleの激しい競争から「情報社会化」に急展開し、SFと思われていた「IT支配社会」を瞬く間に構築しました。
"Japan as No.1"などと褒めそやされた工業国家日本の地位は世界経済の主導線から後退し、近隣アジアの低賃金に頼るだけの惨めな状態になってしまいました・・・。
そして10年後、、、
「構造改革」という旗が立てられ、"ぶっ壊す!"を合言葉に、国の形を変えよう的な似非改革が始まりましたが、、
小泉政権がやらかした雇用改革で"清貧"も耐えられないような格差が、無策の自民党政権に対する怒りを爆発させ、民主党に300議席を与える結果となり・・・
そして20年後、、、
東日本を揺るがす巨大地震が、経済大国の象徴ともいえる原子力プラントを破壊し、放射能をばらまきました。
当時の民主党政権は、財政出動で震災復興や、巨大公共事業撤退や、教育と暮らしの面で直接家計支援する政策を矢継ぎ早に出しました。
国民的要求を受けての"政策反動"だったと思います。
しかし、福祉の増大を可能にする裏付けが、
つまり、財源・・・直接税依存の限界=間接税への傾斜=消費税の増額
わがままな国民は、"それはやだ!"←単純な感情
罠にはまったように民主党政権は追い落とされました。
長期化した安倍政権には功績など殆どありませんでした。
ゼロ金利でお金をジャブジャブ放出して、見かけの豊かさだけを演出して勤労者をだまし続けた月日でした。
そして30年後、、、
日本だけでなく、人類は自然界から最終回答を求められています。
ジャブジャブやって来た安倍政権もとどめを刺されました。
誰が跡を継ぐの・・・?
まともに考えたら、自然界が突きつける難題に対する真摯な思考と忍耐力、そしてその為の信念と体力を持ち得ない者には、指導者は務まらないでしょう!
権力欲だけでその座に就くのでは、民主党政権前の毎年首相が替わったあの頃の自民党の再来でしょう・・・。
民主社会で指導者を選ぶのは市民。
その市民が、物質的生活欲だけで指導者を選ぶのでは、いよいよ事態は深刻化し、破滅の21世紀を予感させます。
日本人初の宇宙飛行は秋山さん。
秋山さんが宇宙から持ち帰ったものは、物質科学の精華ではなく、21世紀人類に与えらるべき精神であったのかも知れません。
あの日、12月2日の日没後の夜空を家の前の路上で見上げていました。ソビエトの宇宙ステーション「ミール」へのドッキングを目指す秋山さん搭乗のソユーズが接近し、ランデブー飛行しながら斜めに夜空を横切って行くのをはっきり見届けました。
でも、その時には、今日この地球で起きていることを、地上にいた私には予想することはできませんでした・・・