びーすけ工房でひとやすみ

思うことをびーすけ工房からお送りします。

やはり中国の世紀へ

 プーチンが死に体のようになってきました。
 
 前世紀ソビエト時代の亡霊を引きずった野望は、もはやグローバル世界経済の前には通用しないということがはっきりしてきました。
 
 この事態は、同様に専制体制を貫徹しようとしている中国にとっては、幸運だったかも知れません。
 
 仮に、死に体のプーチンが、世界から隔絶されたロシア国民にしばらく支持されたとしても、世界的な経済制裁下に暮らしが脅かされれば・・・、時間の問題だろうと想像できます。
 
 ただし、プーチンが生存し続けることに最も恩恵をうけるのは中国だと思われます。
 
 中ロ関係が維持されることによって、現在すでに盛んなシベリア東端での経済協力はより拡大し、ロシアの安価な資源を得る中国マネーが、サハリン、さらにカムチャッカへの経済権益拡大を実現し、台湾や北方領土などの地政学的重要性は薄れて、中国の北部太平洋への新たな道筋が完成できます。
 
 恐らく、プーチンの失敗に学んだ習近平は、決して軍事力に頼った覇権には向かわず、西に向かった経済戦略一帯一路、そしてこのような北太平洋に向かう経済ルートを獲得することで、もやは日本や韓国、そしてアメリカ、地球の裏側の北大西洋勢力を恐れることもなく、「チャイナワールド」を築き上げる可能性が、現実味を帯びます。
 
 その中国がさらに環境対応で先進的な地位を獲得するようであれば、もはや軍事力などに頼らずも、世界をコントロールする日が近いかも知れません。
 
 その時、それでもアメリカのみにたよる日本がいたとしたら、これはまた惨めなことになりそうです。
 
 思えば、日本と中国の歴史的関係は、アメリカのそれと比較して、遥かに長く、深いものがあります。そして、近代の一時期に、日本の勘違いによって起こった悲劇的敗北を忘れず、隣国としての間違いのない外交を再構築して欲しいと思うばかりです・・・。