びーすけ工房でひとやすみ

思うことをびーすけ工房からお送りします。

憲法とAI

 今日は憲法記念日なので、特に今年は考えてしまいました。
 安倍晋三が歴史上の人物になって、明らかに「政治的な憲法改正議論」の推進力が減退していると思う。
 
 今日の東京新聞で、ドイツの歴史を参考に分かりやすい憲法問題の記事が掲載されてました。
 
 かつて、第一次世界大戦に敗れたドイツは、「ワイマール憲法」を定めて高い理想の民主主義国家の建設を誓いました。フランスやイギリスに比べ、近代ドイツの市民権が遅れていた中で画期的なことであった訳です。ところが、その後僅か20年も経たずにナチスドイツによる軍事体制が築かれてしまいました。
 そのナチスドイツが第2次世界大戦で連合国によって倒された時、世界の厳しい目がドイツに注がれ、東西ドイツ~再統一の困難な時を経て、やっと信頼される国家となりました。
 実は日本はドイツと似たような歩みをしています。明治維新後に「議会政治の形」は作りましたが、天皇主権の暴走した軍事国家は第2次世界大戦で酷い犠牲の内に敗北し、連合国の指導の下に「日本国憲法」を定め、「民主主義国家の形」はできましたが、その憲法は学校の社会科で知る以外は関心もなく、日常殆ど言葉にして憲法を意識することもしません。
 ワイマール憲法の反省からか、日本国憲法には相当に厳重な鍵が掛けられました。第96条規定の、改憲には衆参両院の3分の2以上の賛成を必要とする・・・という鍵!

 安倍晋三に象徴された国家主義的立場の方々は実際上変えられない憲法に苛立ちながらも「解釈改憲」という誤魔化しを駆使して、本来的には憲法違反と思われる事柄を実質的に強行してきました。
 ただし、それから76年、日本はワイマール憲法を踏みにじったナチスドイツのようにはなりませんでした。
 アメリカとの同盟がそれをさせなかったとも思えます。
 
 が、何よりも冷静な政治家たちが、そこまでは至らなかったとも思え、さらに国民の殆どが反戦の理念を持ち得ているとも感じられます。
 
 政権は強行的でも、国民多数の大人の意識が重くブレーキを掛けて来たと思えます・・・。
 
 新聞記事には、日本国憲法が制定された直後に、ドイツの例を示して、日本が同じ過ちを犯すのではと危惧する当時の学者の論文が紹介されています。この危惧が、実にその後の年月、くすぶり続け、そして今日があります。
 
 憲法条文はあまり理解されていなくても、語り継がれてきた戦争惨禍の記憶、映像、伝承・・・それら言葉によって記録・記憶され、折々様々な形で国民生活の中で見え隠れしてきた日本の反戦・・・
 
 それがある限り、昔のドイツのような、今のロシアのようなことにはならないのではないかと、、、
 
 不安なのはAIが人間に代わって作文してしまう時代に突入するそうな!
 
 AIは、そのような理念を作文できるのだろうかと・・・?