過去の記憶と予感です。
学校の成績処理業務のパソコン自動化をはじめたのは、大体25年くらい前だったと思います。
Windows95~98とOSが進化し、同時に表計算ソフトMSエクセルが市販PCにプリインストールされ、誰でも触れられる条件が整いました。
現在もバージョンアップされているエクセルは、初期の頃からVBA(Visual Basic for Applications)が組み込まれて、表計算シートにプログラムを組み込める革新的製品でした。
文系人間でも、文章を書くようにプログラム文を書けるので、ワクワクした訳です。
そんな時期に、通知表や調査書のような従来手書きで発行していた文書、つまり成績が数字で表示された文書、
数字で処理するので、これをパソコンで処理する発想はあちこちで広がり、関心のある教職員が現場で、自分の工夫で″勝手に″はじめるようになり、
行政が本格的に動き出す前に、インターネットも急速に発展して、そんな情報がネット上に拡散することになりました。
自分が仕事をしていた現場もそのひとつで、この流れを支持する議論と懐疑的な感情が現場に漂ってました。
進路指導の仕事をしていた時、クラス担任の方々が生徒の調査書所見書きをしていて、苦労されている人もいました。これは「指導要録」の所見書きも同様です・・・
みなさんが作文した所見文がデータ化されていたので、これをエクセル上でデータベース化(例文化)し(筆者は特定されません)、シート上に検索入力フォームを組み込んで、キーワードを打ち込んで実行(ENTER)することで、キーワードを含む例文が抽出されるものを作りました・・・。
例文は似たようなものもありますが、500以上を例文化しました。
これを〃活用″した人がどれだけいたか、私には分かりませんが、たいそう喜んでくれた方もおられました。
これを冷ややかに見ていた人も当然いたでしょう。当時の現場の情報処理的仕事をしていましたが、そのような〃全体の空気〃の傾向をアンケート等で調査することはしませんでした。
現場まかせだった学校IT化はやがて官製に移行して、21世紀も20年を過ぎて、数字の処理は殆どコンピュータ化されました・・・
そして、、
今、コンピュータが作文する時代になりました。
あの当時、エクセル上で幼稚なプログラムを使って″作文支援〃を試行したことを思い出すのですが・・・、
なぜか、あの時、職場全体にキチンと諮り、理解の普及を前提にしてやれなかった自分を思い出し、
何故だろうと、25年も前の葛藤が蘇ってます。
幾世代もかわり、万能スマホ=当然の道具となった現在、
・・・ChatGPT・・・
あの頃、小さな学校の中にあった空気が世界全体になっているのを感じます。
実は、これを推進しようとしている人々、あの頃の自分と同じで、″曖昧な躊躇〃がありながら、実際には未熟な人間故にあちこちでミス、トラブルも出てくるので・・・
学校がそうであったように、しばらくは紙媒体併用で推移をみることが、現実的で、″なんとなく普及〃していくことにつながるのではと、
何もかも急ぎすぎる時代への警鐘が四半世紀を経た今鳴らされているような気がします・・・。